LPWAを活用した産業廃棄物の収集効率化に向けた実証実験に参画
当社開発の廃棄物計量センサーが採用
2017年11月15日
NISSHA株式会社
2017年10月20日より、低消費電力で広範囲をカバーできるLPWA※2ネットワークや多様なセンサーを活用して、産業廃棄物の効率的な収集を検証する実証実験(以下、本実証実験)を京都府内で開始しました。本実証実験では、NISSHAが開発したLoRaWAN™※3準拠の廃棄物計量センサーを活用しています。
NISSHAは、得意とするセンシング技術を生かして、今後LoRaWAN™を使ったセンサーを広範な産業分野に展開して用途の多角化を図り、各産業の業務効率化および社会課題の解決に貢献していきます。
※1. 京都府の平成29年度「IoT・スマート産業廃棄物削減対策事業」において、資源循環の取組みを促進するため、IoT技術の導入による
最適な収集運搬ルートを選択する廃棄物処理モデルの実証事業
関連Webサイト:平成29年度スマート・センサー活用リサイクル促進モデル効果検証等事業
※2. LPWA(Low Power, Wide Area)は、小電力で長距離無線通信を実現する通信技術の総称です。
※3. 半導体メーカーのセムテック、IBMなどの「LoRa Alliance」メンバーが策定したIoT 向け通信規格のひとつ。
LoRaWAN™は、Semtech Corporation の商標です。
背景
このような非効率な運用実態に対して、京都府はIoTを活用した業務の効率化や収集運搬の最適化を検証する事業を公募し、NISSHAの廃棄物計量センサーを活用した共同企業体の提案が採択され、2017年10月より実証実験を開始することになりました。
※4 出典:環境省 産業廃棄物処理業実態調査業務報告書(2011)
実証実験の内容
概要
排出事業者及び収集事業者も含めたステークホルダー全体をつなぐIoTプラットフォームを構築し、廃棄物処理のコスト削減とリサイクル率の向上を狙います。
- 産業廃棄物の保管量が分かるセンサーの設置
- センサーの通信環境の整備 (LPWAと3Gネットワークの比較検証)
- センサーの情報をもとに最適な収集運搬ルートが分かるシステムの導入
- 上記の環境下で行われる廃棄物処理モデルの効果検証 (処理費用の削減効果、CO2排出量削減効果等)
特長
- 複数の排出事業の廃棄物量を見える化 排出事業者の保管所に計量センサーを設置して、IoTプラットフォーム上で各排出事業者の産業廃棄物量をリアルタイムに可視化
- 都度回収から「実需連動型回収」を実現 計量センサーから収集したデータをAIにより分析することで、数日後の排出予測や最適な車両・走行ルートの選定が可能となり、効率的な回収計画の立案が可能
- 最適なネットワークとセンサーを組み合わせたトータルソリューション 保管所の環境に応じてLPWA、3G等の最適なネットワークとセンサーの組み合わせが可能
センサー設置イメージ図
システム概要イメージ図
実証実験期間
NISSHAの役割
- 超音波センサーディバイスの新たな活用領域拡大に向けた検討
- LoRaWAN™を使用した廃棄物量計測センサーなどのワイヤレスセンサーディバイスの設計・開発・生産
- LoRaWAN™センサーディバイス設置方法の設計・設置、及びメンテナンス
今後の展開
本実証実験の結果を踏まえて、IoTを活用した産業廃棄物処理の一層の効率化を図るとともに、有価物の回収効率化により、排出・収集・処理事業者一体となったリサイクル率向上に向けた新たな仕組みの構築をめざします。今後はさまざまなエリアに展開し、適用範囲についても一般廃棄物への拡大を目指します。
NISSHAは、今後LoRaWAN™を使ったセンサーを広範な産業分野に展開して用途の多角化を図り、さまざまな社会課題の解決に貢献していきます。
お問い合わせ
NISSHA株式会社
ディバイス事業部 営業二部 鈴木貴充
Tel: 075-757-6761
Mail: wsn_info@nissha.com