トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」に水素ディテクターが採用

—高速起動、長寿命を実現

2014年12月16日

日本写真印刷株式会社

日本写真印刷株式会社(以下、日本写真印刷)のグループ会社、エフアイエス株式会社(以下、FIS)の水素ディテクター(検知器)が、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)の燃料電池自動車「MIRAI」(2014年12月15日発売)に採用されました。

世界初の量産燃料電池車 トヨタ自動車「MIRAI」

世界初の量産燃料電池車 トヨタ自動車「MIRAI」

「MIRAI」に採用された水素ディテクター

「MIRAI」に採用された水素ディテクター

水素ディテクターとは

水素ガス漏れを検知する装置です。「MIRAI」には2か所に搭載されており、万一、水素ガス漏れが発生した場合、直ちに検知し警告します。
国土交通省は、水素ガスを燃料とする燃料電池車の基準として、水素ガス漏れ検知器の装備を定めています※。

「MIRAI」に採用された水素ディテクター

※イラストの配置は説明のためのイメージです。実際のシステム配置を示すものではありません。
※参考資料:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2011.06.23】
(圧縮水素ガスを燃料とする自動車の燃料装置の技術基準)別添100より抜粋 (出典:国土交通省)
3.9.1. 主止弁から燃料電池スタック(燃料電池自動車以外の自動車にあっては原動機)に至る構成部品(一体形成の配管を除く。)を設置している区画内の上部付近等検知しやすい位置には、水素ガス漏れを検知する装置(以下「水素ガス漏れ検知器」という。)を少なくとも一個装備していなければならない。

FIS水素ディテクターの特長

1.高速起動:1秒以内 

万一の水素ガス漏れを燃料電池車が始動するまでにすばやく検知します。
FIS従来製品に比べ3分の1以下の起動・応答時間を達成しています。

2.長寿命

 水素ディテクターの検知素子をコイル状にすることで触媒表面積を最大化し、FIS従来製品に対し約3倍のセンサー寿命を実現しています。

FISが新開発した小型検知素子は、白金線上に電着された触媒と水素ガスが接触する際の燃焼温度上昇を検知する接触燃焼式です。電着手法の確立により、小型化と触媒表面積の最大化という相反する課題を解決し、すばやい検知と耐久性を実現しています。
2006年よりトヨタ自動車と開発に取り組み、水素で走る車としてふさわしい安全対策のひとつとして評価されました。

今後の取り組み

日本写真印刷は、ディバイス事業でタッチセンサーを手掛けており、新たなセンシング技術としてガスセンサーに注目していました。2014年6月、ガス警報器、空気清浄機用センサーや口臭測定器、アルコールチェッカーなどの製品を展開し、この分野において高い技術力を有するFISを完全子会社化しました。
当社グループは今後、燃料電池車用に限らず、家庭用燃料電池システム向けや水素ステーションなどのインフラ向けへ展開するとともに、医療分野など新たな事業領域を創出するための具体的な取り組みをさらに加速させていきます。

水素ディテクター(お客さま向けWebサイト“connect.nissha.com”) 

FISの概要

商号:   エフアイエス株式会社
所在地:  兵庫県伊丹市
設立:   1992年11月20日
代表者:   橋本 孝夫
                  (日本写真印刷株式会社取締役専務執行役員、最高技術責任者)
資本金:  320百万円

展示会情報

「水素ディテクター」を第11回 水素・燃料電池展に出展します。
この展示会は、水素・燃料電池の研究開発、製造に必要な技術、部品・材料、装置、および燃料電池システムが一堂に出展される国際商談展です。

展示会名:  FC EXPO 2015(第11回水素・燃料電池展)
会期:    2015年2月25日~27日
会場:     東京ビッグサイト

画像出典:トヨタ自動車
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